介護職員処遇改善〇〇

近頃「物価高」が問題になっています。もともと賃金水準が低いことですっかり有名になっている介護業界ですが、物価にあわせて賃金が上がらなければさらに相対的に低い賃金水準となることは言うまでもありません。

医療や介護は公的保険で運営される部分がほとんどで、「報酬単価」によって地域差は一定程度調整するものの基本的に全国一律のルールで「値段」が決まります(保険事業については事業者は自分で値段を決められません)。企業努力はもちろんですが、介護職員の賃金を上げるためには報酬単価が上がることも重要な要素です。

一方で、報酬単価を上げると利用者負担が重くなることや、保険料が上がるというシステムにもなっており簡単ではありません。

ここ数年の制度改定では、「介護職員処遇改善〇〇」というタイプの報酬が拡充される傾向があります。これは、介護職員処遇改善〇〇として受け取った収入を介護職員等の給与の上乗せに充てることを義務付けた仕組みで、介護職員の給与水準を上げようとする政策誘導です。現在【介護職員処遇改善加算】【介護職員等特定処遇改善加算】【介護職員処遇改善支援補助金】の3種類があります。

これらは同時に始まったわけではなく、【介護職員処遇改善加算】→【介護職員等特定処遇改善加算】→【介護職員処遇改善支援補助金】と数年おきに導入されました(【介護職員処遇改善支援補助金】は2022年9月末までの経過措置で、10月以降は【〇〇加算】という新しいものになる予定とされています)。

手続きはまずまず複雑で、また会社としてこれによって利益が出る仕組みではないので、制度開始当初は申請事業者が少なかったと聞いています。実際、一番初めの申請時は行政窓口に問い合わせたところ「ありがとうございます」とまで言われました。現在は当時に比べ考えられないくらいしょっぱい対応ですので申請事業者もかなり増えたのでしょう。

弊社は制度開始当初から新しい加算等の導入の都度適用してきましたので、現在では結構な規模の加算額を受給しており、職員の給与水準を維持するために欠かせないものとなっています。一方で、いろいろと改善してほしい点や解せない点もいろいろあると感じています。

そうした点は様々あるのでおいおい紹介していきたいと思いますが、今回は「政策発表」について困っている?ことを述べます。

上記制度はまず「政策発表」があり、おいおい「審議会資料の公表」「骨子・制度案の公表」「制度の公表」「事務手続き・様式の確定」「申請」みたいな感じで進みますが、例えば直近の【介護職員処遇改善支援補助金】では「介護職員の給与を月額9,000円相当上げる」などとまず「政策発表」がされました。その後、制度の内容が徐々に明らかになるのですが、最終的に「月額9,000円はムリ」とわかるのです。これは他の2つも基本的には同じでした。

介護職員処遇改善○○ 2 に続く)

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