ケアプランのデータ連携

職員の個性とケア で書いたとおり、ケア行為に対するテクノロジーの導入の限界というものは常々感じており、(おそらく売りたい側の)宣伝文句等には懐疑的であるものの、誰であってもよく、行為者が人間でなくともよい付随する「事務」における効率化はいくらあってもよいと思います。

実際には「電子カルテ」等において【取り扱う側の不慣れさ】【導入コスト】【それぞれの現場における運用方法に合わせてカスタマイズがどこまでできるか】などいろいろ考慮すべきことがあり、簡単ではありません。特に現場ごとのカスタマイズについては「人とテクノロジー、どちらが優先されるべきことか」という問題を生む可能性もあります。

とはいえ、あくまで人がテクノロジーを利用するという形(テクノロジーに人が振り回されるのではなく)が確保できれば、はじめはストレスでも長期的にはメリットの方が大きいでしょう。また、ケア業務とは無関係な純粋な事務であればどんどん効率化を図るべきです。

そんな中、こんなニュースを見つけました。

岸田首相「ケアプランデータ連携、年度内に整備」 – ケアニュース by シルバー産業新聞|介護保険やシルバー市場の動向・展望など幅広い情報の専門新聞 (care-news.jp)

6表・7表(サービス予定系の帳票)については圧倒的に便利になるのではと期待します。

2000年の介護保険スタートより20年強、居宅介護支援事業者(ケアマネ)とサービス事業者との利用予定・実績のやりとりはほとんどFAXで行われています。しかも、サービス事業者は業務ソフトや請求ソフトにその内容をいちいち手打ちし直したうえサービス提供を行い、月末に実績を入力しFAXで返しています。すると、ケアマネさんの事務所では月末に一斉にFAXがやってくるため回線が混雑し、送信エラーとなることも日常茶飯事です。

というように、割とばかばかしい手間がかかり続けているのが業界なのですが、今までなんらか効率的な仕組みを自社だけで取り入れても相手方の混乱を生む可能性があるので、不便な習わしに従ってきました。

今回は、業界全体で事務フォーマットを変えようという話なので、ほとんど反対する理由が見つかりません。

少し心配があるとすれば、2021年改正の際に「科学的介護」「ADL維持等」関係のシステム導入に相当混乱があったので、今回はそうした混乱が生じなければよいがと考えています。

引き続き注目していきます。

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