リハビリテーションと介護職

リハビリテーションとはどんなものかといわれると、一般的には器具の置いてあるような「リハビリ室」で、理学療法士などの「専門職」が訓練等を行う、というイメージを持つ人が多いと思います。

それはそれでその通りなのですが、より決定的なのは実地の場面でどうするかということです。歩行訓練をいくらリハ室で行ったとしても、実生活で歩くことをしなければ「歩かないので」「歩けない」ことになるし、実生活で歩くことは「歩けるようになる」最大の訓練にもなります。

すると実は、介護施設などでは介護職こそがリハビリテーションの主役といえます。

トイレに行くために歩く、食堂に行くために歩く、ただ歩く・・・生活場面には歩く場面がいくらでもあるし、そしてそれらを「歩かなければ歩く場面は全くない」のです。

生活でまったく歩かず、訓練場面のみ歩いても効果は半減どころではなさそうです。生活場面で関わるのは介護職であり、介護職が普段のケアの中でいかに動作を引き出していくかがカギになります。

そのためには、介護職は安易に車いすなどにのせて介助せず一緒に歩く時間を確保しなければならないし、一定の動作分析ができなければならないなど、多少の手間とスキルを要求されることになります。特にスキルの部分は「専門じゃないから」と敬遠しがちです。ところが実際は、もちろん専門的見地が必要なこともありますが、多くはいくつかの基本事項を押さえれば十分に「リハビリテーション的な介助」ができます。

私たちはそこにリハビリテーションの肝があると確信し、多くの利用者の生活動作を維持向上させてきた、という自負があります。

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