某宗教法人系団体が連日話題になっています。そのスクープの中に、高齢者対策マニュアルというものがあるという、聞き捨てならないものがありました。
家族との交流の程度、認知症の有無など状況別に、ケースごとのアプローチ方法を示したものです。例えばその宗教について家族が良く思っていなさそうならトラブル防止のため書面をとるとか、家族関係が良好なら家族まで対象を広げる努力をするとかなどです。
私たち対人援助者は援助をすすめるため対象者との信頼関係の形成を図ります。また援助のプロセスや内容を客観的に担保するための努力も同時に行います。そこにはある種の技術があり、また一定の様式があります。
しかしながら、それは例えば「悪徳商法」のようなものにも応用可能なわけです。人助けになるのか人を陥れることになるのか、それはいつも使う側の倫理性によるわけです。
対人援助者はクライアントとの間に信頼関係の形成を図るべく試行錯誤し、コミュニケーション力・共感力を高め、よき援助につなげていく存在です。だからこそ、悪用するような行為には怒らなければなりません。